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特集記事②「お墓と時代の流れ」

現在、永代供養墓が全国にどのくらいあるかについての正確な統計はない。 しかし永代供養墓の紹介サイトや霊園紹介の専門書籍での取り上げ件数から推測すると約1000カ所近くあると思われる。増加が顕著になったのは2000年頃だという。

「家制度」に大きな変化 永代供養墓拡大の背景の一つとなったのは、子どものいない人の増加とされる。 明治以降、第二次世界大戦終了まで日本は家制度が確立されていた。

この時期、多くの場合は長男が家の財産とともに墓や仏壇などの祭祀一切を継いだ。

しかし近年は少子化で祭祀を継承する子どもがいないとされる。

一人の女性が生涯に産む子どもの数の平均を示す合計特殊出生率は右肩下がりの傾向を続け、年によって微増はあるものの2014年には1.42になった。

ただ「合計特殊出生率が1を切っていないのだから

祭祀を継承する子どもがいないということはないのでは?」という疑問がわく。

そこで子どもを産んでいない女性がどのくらいいるかを見てみる。 厚生労働省の2010年度「出生に関する統計」によると、40歳になった1969年生まれの女性の27%が子どもを産んでいなかった。

つまりこの時点で少なくとも女性の4人に1人は祭祀を継承するべき子どもがいないことになる。

こうした人が継承を前提としない永代供養墓を求めるのは当然の流れといえる。

「迷惑をかけたくない」意識も また、子どものいる人に「継承させることは子どもに負担を負わせる」という考えが広がっていることも永代供養墓の需要を高めている。 2014年にまとまった「墓地埋葬等に関する住民の意識調査」(厚生労働省科学研究) によると、墓地の継承者に関して、「継承者はいるが負担はかけたくない」といの回答は23.5%に上った。 墓の継承に関する意識は女性の方が薄く、仏壇・墓石・屋内墓園販売大手「はせがわ」の調査では「先祖の墓を守るのは子孫の義務だ」と考える男性は41.7%だったのに対し 女性は24.7%にとどまった。

また「自分の墓は子孫に守ってもらいたい」と考える男性は20%、女性は11%だった。

出典 ソナエ(産経新聞出版社)

2015年夏号 P16

「出生に関する統計」を見ているといかに少子化が進んでいるかがわかります。 これも2010年度のものなのでその流れはより進んでいることでしょう。

そして「墓地埋葬等に関する住民の意識調査」を読み解くと墓地の継承という点においても意識が変わってきています。

従来の個別墓だけでなく時代の流れと共にお墓にも多様性がないといけません。 個人的に子どもを持つ身として子孫に迷惑をかけたくない気持ちは色々なご家庭のお墓を見てきていることもあり、かなり共感できます。

ただ、お子さんやお孫さんがそれを 「しがらみ」と捉えるのか 「つながり」と捉えるのかは そのご家庭でのお墓やご先祖さまに対しての姿勢が強く影響を及ぼします。

旦那さんとは同じお墓に入りたいと思うが それ以外の親族とは一緒のお墓に入りたくない女性も少なからずいらっしゃることでしょう。実際そういうご意見もございます。

これは男女問わず言えることなのですが お墓の将来やひいては未来のことを考えるのであれば 今、自分たちが何をしているかが重要になってきます。 生きているうちにそばにいる人を大切に そして今を大事にして頂ければと思います。

#永代供養墓

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