特集記事⑩「改葬について」
「二人の娘が嫁いでしまい、家を継ぐ人がいなくなってしまいました。 私には曽祖父の代からの受け継いできた『先祖代々之墓』があるのですが、妻や先祖の遺骨も一緒に永代供養墓で供養してもらうことはできるのでしょうか。」(70代男性)
可能です。
その場合、今ある墓から永代供養墓への遺骨の引っ越し、つまり「改葬」が必要になります。改葬には定められた手続きをとることが必要です。 手続きは次の通りです。
①移転先となる寺や霊園から「墓所使用承諾書」ないしは「受入許可書」といった証明をもらう
②現在の墓がある市区町村で「改葬許可申請書」の書類を入手し、必要事項を記入
③現在の墓がある墓所の管理者の承諾をもらう
④「墓所使用承諾書」「改葬許可申請書」を市区町村に提出し、「改葬許可書」を交付
してもらう
⑤移転先に「墓所使用承諾書」と「改葬許可書」を提出し納骨する
⑥実際の引っ越しをする 質問の方のように、先祖代々の遺骨を改葬させるには、人数分の書類が必要になります。 ネット上で「いいお墓.com」を運営する鎌倉新書の草川一企画編集マネージャーは
「『先祖代々之墓』は関係する親戚も多いですから、今まで付き合いのなかった親類が突然改葬に反対するなど、トラブルになることもありえます。 いったん合祀にしてしまうと他のご遺骨と混ざってしまい再び取り出すことは出来なくなるので、まずは親族などと十分に話し合う必要があります」と指摘しています。
改葬に際して、親族以外にお参りをする人がいるといった情報を持っているのは住職です。
引っ越し元の寺院の檀家を抜ける場合には「離檀料」が発生する場合があります。
寺院にすると寺の維持管理を支えてくれた檀家が抜けてしまうのは死活問題となりかねませんから。
離檀料をめぐっては「高額な支払いを要求された」といったトラブルも起きていますので寺院とよく話し合う事が大切です。
同じ寺院や霊園の中にある永代供養墓への改葬なら手続きも簡単です。
離檀料も考える必要もありません。
先祖代々之墓がある菩提寺に永代供養墓がない場合がございます。 永代供養墓のある他のお寺さんへのご遺骨の引っ越しには 少々手順がややこしいのですが上記の手順を踏んで申請や契約をせねばなりません。
ご遺骨を元あった菩提寺から別のお寺または霊園に移す際に注意すべき点が三つございます。
・先祖代々の遺骨を改葬させるには、人数分の書類が必要になります 同じお墓の中に入っているのだから一つの申請だけで済むのではないかと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが 一体ずつのご遺骨に「埋葬許可証」という証明書が火葬場を通して市区町村から発行されます。その埋葬許可証は現在納骨されている菩提寺が保管をしております。 それを元に諸々の書類を作成して頂くのでそれぞれの菩提寺にご確認して頂き お墓の中に納骨されているご遺骨の数だけ書面を作成して頂く必要がございます。
・自分もしくはご家族だけで決定せずに親族の方にもご相談の上、改葬してください。 この点をきちんと踏まえないと上記のようにトラブルになる可能性がございます。 もし仮にあなたが親戚のお墓参りに行った時にそのお墓が無くなっていたらビックリしませんか?ご親族の方々にご遺骨を移す旨を「移す前」に共有しましょう。 移す先での供養方法についても合祀にするのか個別にするのか事前にご親族の方にご連絡するのが望ましいです。
・改葬に際して、離檀料が発生することがございます。 離檀料について法的義務はございません。 しかし今あるお墓の魂抜きをし、墓石の処分をしなければなりません。 その費用についてはご自身で負担して頂くケースが多いようです。 お寺側からするとデリケートな話なのでこういう時こそ菩提寺のご住職との関係性がとても大事になってきます。普段からお寺とコミュニケーションをとれる関係が望ましいです。 もちろん、上記のように同じ寺院や霊園の中にある永代供養墓への改葬であれば離檀料は必要ございません。
ソナエ 夏号 2015年P24
長いですね-、見るのに少々根気がいる内容です。
しかし実際にこの手順を踏まねば
現在、お骨のある場所から別の場所に移動する事が出来ません。
一度、役場に改葬について質問をさせて頂いた事があるのですが
改葬に関しての問い合わせ件数も増加傾向にあるようです。
何より色々、丁寧に教えて頂けたのが一番安心できました。
もし皆さんも気になる点があれば一度聞いてみても良いかもしれません。
きっと丁寧に説明して頂けると思います。